はじめに
コンピュータの搭載や電子制御化によって、車の構造は複雑になりましたが、
2024年10月から本格的にスタートするOBD検査は、
まさにそんな車の進化から生まれたものではないでしょうか?
そして検査で絶対に必要となったのが故障診断機(スキャンツール)。
高度化する整備において、このスキャンツールはどんな意味を持ち、
なぜ必要なのか解説したいと思います!
車が進化することにより整備技術も進化が求められる

車の電子化は、最新のトレンドではありません。
実は30年以上前から、ドライバーの安全性や燃費の向上を目指して、様々な車両技術が開発されてきました。
1980~90年代には初期の運転支援技術としてクルーズコントロールやABSが導入され、2000年代にはさらに進化したレーンキープアシスト(LKA)、自動緊急ブレーキ(AEB)などが登場しました。
最近ではカメラやレーダー、LIDARなどのセンサー技術が急速に進化し、ADASの性能も向上して、一般的な車両にも普及しています。
2020年代に入ると、ADASは電子制御ユニット(ECU)と密接に連携し、更なる支援システムや自動運転技術の基盤として開発が進んでいます。
このように車の進化を見ていくと、昔の車とは全く異なる進化を遂げており、整備業界でもこれまでにない技術と変化が求められていることが明らかとなります。
・故障診断機は、今や「ないと整備が出来ない」必需品。
現代、自動車の進化に伴い、故障診断機は整備において「必需品」です。
診断機は車両の電子制御ユニット(ECU)からトラブルコード(DTC)を読み取り故障箇所の判断に役立ちます。
また、データモニタやアクティブテストにより、高度な故障診断も行うことができます。
車は進化するほど快適になりますが構造も複雑になり、整備士には高度な作業技術が求められるようになりました。
不具合の原因を探ろうとしてもECUは目で確認できないものであり、診断機がなければ故障個所を特定する手間や負担も増え、作業の精度の低下につながり、整備業界全体の問題にもなりかねません。
今後、自動運転技術の搭載や電気自動車の普及などで車1台に搭載されるECUの数も増えるといわれており、故障診断機の必要性とその役割は、より大きなものとなっていきます。